「ゆっくり長く」でサブ4を達成した、まったり練習法について

走り始めて大会にエントリーするようになり、ハーフマラソンを完走出来るようになったら次はいよいよフルマラソンが見えてきます。市民マラソンランナーの最初の目標と言われるサブ4(4時間以内での完走)。市民マラソン大会だと、おおむね完走者の上位約20%と言われています。

一見敷居の高い目標に思えますが、ポイントを抑えてきっちり練習を積めば実はそれほど高い壁ではありません。ここではサブ4を達成するためのポイントについてまとめてみたいと思います。

とにかく日々継続して走ること(でも頑張らない)

マラソンは、間違いなくトレーニングの積み上げによって上達度合いが決まるスポーツだと思います。体育会系バリバリの大学生でも、長距離を走り慣れていないと準備無くサブ4で走るのは難しいでしょう。「長い距離を同じペースで走る」練習に特化してトレーニングを行う必要があります。逆に、トレーニングさえ積んでしまえば年配のランナーでもサブ4はそれほど難しいことではありません。RunNetによると世代別の平均タイム最強は40,50代だとか。それだけ走り込みの蓄積が大事ということですね。私の場合は35歳の時にランニングを始めて2回目のレースで達成することが出来ました。

走るトレーニングを始めると、一般的に呼吸器系から鍛えられる傾向があるそうです。いきなり会社のマラソン大会に出ると2、3キロでもぜいぜいなるあれですね。それがしばらく走り続けることで、心肺機能については比較的早く鍛えられます。一方で体の膝や足裏などの部位は発達についていけずにシンスプリントや腸脛靭帯炎を起こすことが多いです。私も一時期かなり悩まされました。

こういった問題があるため、日々のトレーニングはジョグを多めにとって徐々に体を作りながら、乳酸を有酸素運動で消化しつつ、ストレス解消しながらランニングを楽しむのが効果的と考えています。

私が特におすすめしたいのは、会社や学校への往復時間を活用した帰宅ランです。特に使える時間の短いサラリーマンにとっては一石なん鳥ともいえるトレーニング法だと思います。

サラリーマンランナーに帰宅ランがおすすめな理由

日々ゆっくり走って体を作った上でようやく、負荷の高い練習法の余地が出てくると思います。この前提を飛ばして激しくトレーニングをすることで、残念ながら故障をしたりランニングがきつくてつまらないものと思われるきっかけになっているのではないでしょうか。特に、たいていのランナーはコンクリートの上を走るので、足が出来ていない状況ですぐに故障してしまうことが多い。

趣味がマラソンというと、「何が楽しいの?」という顔をされることがありまよね。小学生の時に持久走をしたり、部活で走らさせたり、あるいは会社のレクでも駅伝大会などがあると、たいていは2~5キロくら一番きつい距離を走らされますよね。走り込んでいる人でも嫌になる最大心拍数に近づく最もしんどい距離を走るわけですね。そりゃあランニングが嫌になるわけです。

じゃあ全くきつい練習が不要かと言うともちろん否定はしません。サイヤ人が死の淵から復活すると戦闘力が激しく上がるように、レースや厳しい練習をすると走力が上がるのは間違いありません。

でも、周りのランナーを見ていると、生涯スポーツとしてのランニングを楽しんでいる人はたいていは上手く息抜きをしています。愛好会を作ってたり無理なく無駄なく走ることを楽しんでいる気がします。

サブ4はどうかというと、これは断言出来ますが、スピードトレーニングは必要ありません。サブ4を目指すにはキロ5分40秒のペースで良いからです。これはゆっくり目のジョグ(キロ6分くらい)のペースとほとんど変わりません。ゆっくりのペースでサブ4は達成できるのです。

私がお勧めしたいのは、最大心拍数からマラソンのペースを導き出す方法です。一般的に最大心拍数は220-年齢といわれています。私の場合はトレーニングしてMAXで198くらいまでは行きました。当然このペースでは42キロ走れないのでペースを落として走ることになりますが、それが大体140位までだとなんとか最後まで走りきれます。(厳密には体内の水分量が落ちてくるレース終盤はもう少し心拍数が上がりぎみにはなりますが。)

大体最大心拍数の6-7割くらいがフルマラソンのペースになります。ちなみにハーフマラソンだと8-9割りと行った感じです。つまり、逆算して5分40秒が最大心拍数の6-7割位ならサブ4は充分達成できる心拍機能と言えるでしょう。

これくらいでも終盤ペースが落ちちゃうんだよなと言う人は単純な走り込み不足でしょう。30キロ走などを出来れば複数回繰り返すことでフルマラソンへの耐性が出来れば問題ないと思います。

30キロ以上のロング走については議論が別れるところですが、私は否定派です。理由はまず、ランニングをする上で絶対にあってはならないと考えるのが故障だからです。故障しては何も残りません。ランニングを趣味として人生を楽しむ上での前提が崩れてしまうからです。経験上、ロング走というのはついつい無理をしがちです。行って来いのコースだと途中で疲れても帰らざるを得ません。また、練習で40キロ走ろうとか思うと5時間とかかかりますし、特に夏場などは体へのダメージは深刻です。

この辺のマネジメントも含めて、マラソンというスポーツの醍醐味だと思うのでぜひ効果的なトレーニングをしてほしいと思います。

リスクを押さえたトレーニング方法として、例えば夕方25キロ走って、翌朝また25キロ走るような分散型の練習があるようです。効果はそのままに、間に回復時間を入れることで怪我のリスクを押さえたトレーニング方法だと思います。

話を戻しますが、サブ4達成に必要なのはスタミナであって、スピードではありません。スピード練習をするくらいなら長距離に体を慣らすトレーニングをするべきです。私の感覚ではジョグで25キロ走ってまだまだいけるかな、というくらいの感覚まできたら、ほぼサブ4はいけるんしゃないかなと思います。

ピーキングを甘く見ない

レース当日にピークを持ってくること、それがピーキングです。

ただのコンディショニングと侮る無かれ。当日の体調次第で一気にタイムが変わります。同じような走力でも朝食や体重管理で簡単に10分くらいは差が出てきます。

レース当日に向けてはまずは体重を減らすことが基本です。私の場合はいつも62kgくらいなのですがレース前には理想は59kgくらいまで落とすことを目標にしていました。一般的に、サブ4くらいのランナーでは1kg減らすことで3分くらいタイム短縮が期待できるそうです。レース前週はお昼にお蕎麦ばかり食べてました。

レース戦略を練る

続いて大事なのがこの戦略。レース戦略は完全にマネジメントです。スタートからどれくらいのペースで走り出して、補給をどのようなタイミングで取るか、当日の天候に応じた準備をし、コンディションを見ながら臨機応変に対応する。目標達成に向けては自己管理能力と、緻密な戦略が必要と言えるでしょう。

練習を重ねれば重ねるほど、1分1秒を削り出すのは本当に大変です。昨日の自分に勝つのがどれ程大変か。そのためには当然戦略が大事になってきます。

レースのペース配分はネガティブスプリットで

私がおすすめするのは、レースの後半に早く走るいわゆるネガティブスプリット。

ネガティブスプリットとは

持久走を走るとき、オーバーペース気味になることが多いのではないでしょうか。前半は気持ちよく走っていても、いわゆる30キロの壁で後半に一気に落ちると、結局トータルでは遅くなることが多いです。

大会などにエントリーするとスタート直後に飛び出すランナーのいかに多いことか。スタート直後のお祭り気分で体が軽く、周りに流されついつい飛ばしすぎてしまう。私も何度も失敗しました。

これは、日本の実業団ランナーのレースでも多い気がします。スポンサーの看板を背負っている以上、序盤からアフリカ勢に着いて行かざるを得ないのは分かりますが、あまりにも早過ぎて確実に終盤で離されます。もちろん集団走のメリットもあるので、多少無理して着いていくことが全て悪い訳ではないのですが、問題なのは、離されたあとの一気のペースダウンだと思います。明らかにオーバーペースなのでしょう。

最初から最後までフラットペースが本来理想なのですが、それが出来れば苦労はありません。そのため、最初から多少突っ込んでおく、前半に時間を貯金する、そんな考えになるのが当然だと思います。

ですが、小出監督も言ってますが、レース戦略を練る上ではやはりネガティブスプリットが計算しやすいです。前半で貯金するべきなのはタイムではなく体力なのですね。最後は気合いだ、というランナーもいますが気合いでは42キロ走りきれません。ネガティブスプリットの成果を高めるためには本書が非常にお勧めです。

ではどのようにレースペースを決めるのか

マラソン初挑戦の人には、ペースを決めるためにダニエルズの表が有効だと思います。これは簡単に言うと、10キロやハーフマラソンのタイムによって、ある程度フルマラソンのペースは決まるというものです。遺伝的に決まる長距離、短距離の資質もあるようですが、実際走ってみると自分のペースにほぼ当てはまるので面白いです。

この表によって、マラソンの参考タイムが決まります。例えば、ハーフマラソンで1時間55分を切れるようになったら、フルマラソンはサブ4まであと少しといった具合ですね。

ネガティブスプリットで走る場合は、ハーフマラソンのタイムよりも1割くらい遅いペースで25キロくらいまでは走って、それで余裕があるようであれば35キロまでペースをあげていき、それでも余裕があれは、最後はラストスパート。と言ったシナリオです。ここにレースの高低差なども組み入れて計画をたてると、より目標達成の確率が高まるのではないでしょうか。

長々と書きましたが、まとめ。

  • 練習はゆっくり長くを、継続的に。
  • ピーキングを甘く見ない
  • レースに向けた戦略をしっかり練る。