我が家の住み替えレポート ~汗と涙の住宅売却編 継続中~

 1. はじめに

先日のブログで報告しましたが、賃貸併用住宅への住み替えを計画しています。
私たちは2011年3月のあの東日本大震災の翌日に初めてのマイホーム購入の契約をしたのですが、時間の流れは早いものであっという間に10年が経ちました。この10年で住宅ローン控除も最終年となり、賃貸併用住宅を使った資産形成を意識するなど新たなステージに向け自宅売却による住み替えを決意したので、今回はその経緯についてまとめておきたいと思います。

2. 住み替えの大まかな流れについて ~買い先行・売り先行~ 

<参考> 
住み替えに向けた大まかな流れや、買い先行と売り先行のメリット・デメリットについてはホームズさんのこちらのページが分かりやすいです。

住宅購入するのは大半の方にとって人生の一大イベントですが、売却となるとさらに経験の無い方が多いのではないでしょうか。我が家では現住居の残債があるので、まずはどの順番で進めるべきなのかが最初の悩みでした。例えば、買い先行の場合、新居購入してから旧居売却になるのでローンが2重で発生する期間が生まれます。そこで普通はこの期間を極力短くしたいと考えるのですが、通常不動産の取引には2,3カ月などそれなりに時間がかかります。ある程度の資金を貯められていてダブルローンの期間があってもそれほど困らないという方もいるかと思いますがこの期間が短いに越したことはありませんよね。

一方で、売り先行の場合は基本的に一旦仮住まいに引っ越す必要があります。売却に関して焦る必要が無くなる分、家族単位で2度引っ越しをすることは労力を伴いますし、購入した住居がすぐに住めるとも限らないため、住み替えが長期化する可能性もあります。

これは各家庭の状況によりますので順番は考え方次第ですが、我が家の場合は23区内のある程度人気がある(と自負していた)エリアだったため、仲介業者さんによる3カ月以内の成約率70%という数字を見て、よほど売却時に高望みをしなければダブルローン期間が極端に長くなることは無いだろうという判断のもと買い先行でスタートしました。

いざ始めてみると、売却の準備というのは思っていた以上にスムーズに開始できるのでそこまでの懸念は不要だったかなというのが個人の印象です。先に購入しないと引っ越せないため、完全に同時にすることは難しいものの、ある程度同時並行で売買の準備を進めるということがポイントになると思いました。

3. 自宅の売却査定

CMではありませんが(笑)、我が家でもまずは住宅の一括売却査定を申し込みました。
すまいVALUEではだれしもが聞いたことがある大手仲介各社への査定依頼が一括でできます。机上査定か、訪問査定を選べます。ひるまずに訪問査定を申請しましょう。ただ、数が多いと対応に疲れ果てるので、我が家では購入側で一社既にやり取りしている業者さんに加え、追加で2社ほど住宅の査定をお願いしました。

なお、参考までに我が家のスペック概要は以下の通りでした。10年前の購入時は6300万円、現在のローン残債は約2600万円ほどになります。

 ■立地: 23区城西エリア、駅徒歩12分
 ■物件: 築10年、木造(イトーピアホーム建売)、延床102平米
 ■土地: 43坪、建蔽率/容積率: 40/80%、1種低層、閑静な住宅街
 ■その他: 車庫2台、旗状敷地(不整形)、やや擁壁物件

3社に依頼することにしたのは査定の結果に大きく差が出るとの情報があったためですが、実際やってみると確かにばらつきは大きいと感じました。というのも、いわゆる中古車などのように査定した会社がそのまま購入してくれる「売却査定」ではないので、強気で売り出すのか、スピーディーな売却を目指すのか各々方針によって査定額も大きく変わってくるからです。つまり、売却査定価格がそのまま仲介会社の方針になってきますので吟味が必要なポイントだと思いました。

ちなみに3社の結果は次の通り。10年経過していることを踏まえると、非常にありがたい評価です。この時期、コロナで景気の不透明感を感じつつも、不動産価格はなぜか上昇傾向にあり、特にマンションの価格上昇は激しかったです。その余波を受けて、建売物件も強気な相場と言われていました。

が、もちろんこの価格で売れるという保証ではありません。

N社: 6840万 (購入時比較: +540万)      
M社: 6880万 (+580万)
L社: 7200万 (+900万)

査定方法については各社とも非常に立派な冊子やPDF等のファイルでいただけます。それぞれこだわりのポイントがあって、例えばN社さんは100ページにも及ぶような詳細な資料で根拠が明示されます。類似案件の直近の過去取引結果をもとにした基準値の算出や、経年劣化による物件価値の減少状況、土地の形状による価値の算出、近隣エリアの将来動向予測など、様々な観点がレポートされます。

我が家の場合は旗状敷地なのですが、どのような根拠で坪単価を算出するかなどが記載されており、非常に明瞭で分かりやすい評価になっているので、この価格に落ち着くというのは納得感のあるものでした。ちなみに家を売却する側になるとこういった根拠を元に売値を決めているので、意味の無い指値をされると不機嫌になる人も気持ちが少し分かりました。この提示額に対して、問題個所を指摘して額を下げてもらう交渉をすると売り主側の心に響くのが理解できました。

この点については、住み替えだけでなく不動産の売買においては価格交渉が当然必要となりますが、「価格の根拠」としてこのような価値基準があるというのを知れたことはとても勉強になりました。

4. 仲介業者の選定について

査定方法についてはあまり差がない一方で、営業のスタイルについては勢いや得意ジャンルが異なり興味深かったです。
●N社: スマートで、基本的に客観的な数値優先。ネット時代なので置いておけば売れる的な印象?
●M社: 地場営業。地域の顧客にビラ配ります。早速契約会員に情報流すなど社名のイメージとは違って結構泥臭いイメージ?
●L社: とにかく高く売ります、高く出しましょう、自信持ってと顧客応援型。専任契約前から仲介手数料の割引持ち出すなどかなり前のめり。

で、結局我が家ではM社さんにお願いしました。
理由はいくつかあるのですが、M社さんは城西エリアの比較的田舎エリア(環八)の立地で、その他は環七内のエリア。他仲介さんのお話がタワマンや環七エリア内の富裕層をターゲットにお話しされていたような印象を持ったことによります。少し客層が違うのでM社さんの方が安心してお任せできるかなと思いました。購入される方から見た時にどのような印象を持つかな(あまりガツガツされているのもな。。。)というところも重要でした。

ただ、このネット全盛の時期に果たして地場営業がどれほど重要なのかは正直分かりませんでした。仲介手数料まけてくれるというのも正直魅力だったのですが、その分買い手側からは高い仲介手数料取りたいからまさか囲いこんだりはしないのでしょうけど、安さゆえの怪しさが若干腹落ちしなかった感はあります。

 -媒介は専任か一般か?

また、媒介に出す際に一般媒介か、(専属)専任媒介で出すのかといった議論があると思うのですが結局専任媒介としました。理由としては中古戸建を売却する場合は、どうしてもある程度の品質サポートが欲しいため、それらを受けるには専任媒介が必要となることと、一般媒介とした場合の販売チャネルの優位性を感じられなかった点にあります。

一般媒介と専任媒介の違いとは?

1点目の理由ですが、中古戸建を売却する場合、どうしても品質の劣化が購入する側としては気になるポイントだと思います。基礎部分がシロアリに食われていないか、雨漏りしないのかといった住宅の本体となる部分はもちろん、ガス給湯器やエアコン、床暖房など住宅には様々な設備が使われています。最近は民法が変わり瑕疵という呼び名から「契約不適合責任」といった名称に変わっていますが、一切の保証なく購入するというのは一般的には抵抗がある人が多いと思います。(一部の不動産投資家たちの間ではノールック購入といった買い方も多いですが。。。)

それらの不安に対して、住宅の品質を第3者的に専門的な視点からチェックしてくれるホームインスペクションのサービスや、契約不適合があった場合に一定額までは保証してくれるサービスを専任媒介の場合ですと受けられるのです。

もちろん専任媒介ですといわゆる両手取りと呼ばれる形で売り主、買主双方からの仲介手数料を得るために自分たちで見つけてきた顧客に売ろうとする業者もいるようですが、専任で出している場合というのは窓口がその仲介業者になるわけですから、逆に他の仲介業者を通したくなる理由があまり思いつかないため、専任媒介を選択しました。

 

我が家の場合は購入した先が一般媒介だったのですが、さすがに何のチェックもなしに購入するというのがありえないと思ってしまったのでホームインスペクションの費用は購入側で負担をすることにしました。その分指値しましたが。。。

また、そこそこ人気はあったものの、特定の仲介業者さんに鍵を渡して管理してもらっていたため、実質は専任媒介のような形(ほかの業者が入れない?)だったのだと思います。その結果、売り主、買主双方等に契約不適合の保証は受けられないので同じ仲介手数料払うのならなんとなく勿体ない気がしました。

 

5. 売却準備①(物件の撮影、ホームページ登録、チラシ掲載)

業者と媒介契約を結んだらいよいよ販売活動が始まります。家の写真撮影をしてくれます。我が家の場合はテラスが自慢だったので開放的なリビングをアピールした写真をとってもらいました。細かなサービスも多く、例えば家具がある状態でも撮影した写真をCG加工して、家具を消した状態で室内が見られるものなどもありました。

 

最近となっては当然ですが、大手の仲介業者は多くの住宅購入系Webサイトへの登録は必須としているようで、我が家もアットホームやSUUMO,不動産ジャパンなどのメジャーなサイトにはすぐに掲載が始まりました。ちなみに、掲載の順番は木曜日夜にM社サイト→木曜日午後にアットホーム→SUUMO→金曜日になって不動産ジャパン、のような順序でした。あまり違いはありませんが、、、条件を既に決めていて調べるのであればやはり、大手仲介業者の自社サイトが一番早いということですね。

また、仲介業者さんのお話では既に登録されているユーザさんには価格が未定の段階から情報を提供していたそうなので、こうやって未公開情報というのが世に出回るんだなと勉強になりました。

それから一週間ほどして今度は新聞の折り込みチラシが出来たのでとのことで照会がありました。内容はWebとほとんど同じです。お隣さんから「チラシ見たけど売るの?」といった想定通りの反響はあり、一定の年齢層以上の場合は効果があるようです。ただ、住宅ローンを組んで購入することを前提とするとどうしても40代以下がターゲットになってきますから、折り込みチラシの効果というのは正直疑問でしたが。。。その後は、毎週どれくらいの人が物件に興味を持ったのかWebの閲覧数や問い合わせ件数などをレポートしてくれます。

 

6. 売却準備②(ホームインスペクション)

物件の売却が決まったら平行してホームインスペクションも行います。こちらは仲介業者さんの標準サービスでした。専任だとこういった調査サービスが無料で出来ます。

ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場からまた専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門業務です。

ホームインスペクション(住宅診断)とは

中古住宅の購入時に何も品質の評価や保証が受けられないと購入する側は不安ですよね。そのため、住宅診断士が家の劣化状況を専門的な知見から調査をしてくれるサービスになっています。また、インスペクションの評価結果が一定の基準以上得られた場合は「既存住宅瑕疵(かし)保険」に加入する際の根拠ともなるため、導入が進んでいるようです。

我が家もしっかりと調査頂き翌週、そのレポートを受け取ったのですが、

-なんとまさかの不適合認定

なんですって!?

建築士の方が帰り間際に、「ほとんど問題ないですね。ただ、バルコニー壁面一部に軽くヒビが認められますね。あと、和室の障子が少しシミが出来ているのでそこは報告させてもらいます。」とのご報告を頂いていたので、あぁ、それくらいで済んだのかと思っていました。

ツイートしましたが、ヒビが入っているのを見つけて報告するのは分かるんです。それがお仕事ですから、でも、バルコニーに明らかにほんの少しヒビが入っただけで、下には何もない出っ張った部分なのに、それで「雨漏り保証は受けられません!」となるとさすがにね、それが三〇さんのやり方なんですね、って正直思ってしまいました。

後日、内見者が来られた時は、これだけ厳しくチェックしてるんですよ~、なんて報告していましたが、保証が受けられないとは正直思わなかったのでショックでした。

7. 売却準備③(境界確認) 

これもなかなか面倒な話でした。

<参考> 「境界確認」とは

突然の隣人の訪問。我が家と隣家との間で一緒に境界線の確認した資料って購入当時から存在しないよねと。どうもお隣さん、我が家の住宅売却する噂を聞きつけ、いてもたってもいられなくなった模様。

そもそも我が家は一つの土地を前売り主さんが分筆する際に測量しており、その内容で登記。我々は当時の売買契約書を見ると実測売買で契約をしていました。だから後は境界杭さえ全部あれば異論は特にはさみようがないと思うのですが、わざわざ両者で確認した写真付きの「土地境界確認書」が欲しいとサンプルをお持ちになられあそばせます。

「なんか、お隣さん売却するみたいだからお隣さんに文句つけて境界確認書の費用持ってもらおうぜ的な算段なんだろという心の声が染み出そうな気配をぐっとこらえつつ、ただやはり不動産売買の際は隣家と立会の元境界確認をすべしとの情報が多いので仲介さんに相談すると共に、境界杭を確認してみます。

-なんと一部の境界杭が見つからない。。。

私の記憶では購入時にまだ新築ピカピカの状態で、境界杭は全部打ってあるよ、こことあそことあそこにもと業者さんと指差し確認をした記憶があったのですが、、、なんと一部だけない。。。確認できたのは12カ所中の10カ所。ほとんどあるんですよね。ただ、

乗り込んできたお隣さんとの境界は見つからない。。。汗)

えーなんで。

 

8. 内見開始

募集を開始したら随時、内見を受け付けます。やはりネットの時代で、木曜日にアットホームとSUUMO等の掲載を開始した翌日には2件ほど内見希望を頂きました。

 -掃除・ステージングは超基本

それなりに綺麗に住んできたつもりはあるものの、10年となるとなかなかの汚れ具合です。家の状態が評価につながるとの認識のもと、我が家では徹底的に掃除を行いました。人様に見せるとなると気合の入り方が違います。窓やサッシはもちろん、お風呂場の落ちないカビなどかなり念入りに対応しました。家を見えるのだから掃除なんてと思われるかもしれませんが、個人的にはこの掃除という工夫は費用対効果が非常に出る部分だと思っています。「築10年にも関わらずキレイ」と認識してもらうことで評価が甘くなるのは十分にあることだと思っています。マンションや大型分譲の販売でも、やはりステージングしている家、部屋の方が速く売れるという話を営業マンから聞きますし、特に実需への売却に関しては家の掃除やステージングは重要になってきます。

また、仲介業者さんからはカーテンはすべて開け放し、門灯から家の中はトイレ、お風呂全てに至る電気を点灯しておくようにアドバイスがありました。これもステージングの基本なのだと思います。実際に試してみると昼間のか明るさの違いがよくわかります。また、フロアマットやバスマット、トレマットからお風呂の蓋など、ある程度劣化しているものはデザインよりも新品重視で買い替えました。出費としてはせいぜい数千円ですし、清潔感のあるステージングを意識したいと思います。

 -内見の対応は原則1名で対応行う

我が家は夫婦子ども2+大型犬がいるのですが、内見の際は基本妻一人にして残りは外出するようにしました。内見は空き家のケースであれば自由に見ることが出来ますが、まだ売り主が在住の場合そうは行きません。これが住み替え売却のデメリットとならないよう極力内見者が自由に回れる環境を整えてあげることが大事だと思います。間違っても売り主家族が全員いるような状態で内見者を迎えることはあってはいけないと思います。

また、内見者が女性の場合、どうしても男性に聞きづらい点などは出てくると思うので我が家では妻が一人で対応するようにしました。実際質問された内容も、周辺環境やゴミ出し、ご近所付き合いなど家主に聞かないと分からないものについてのものが多かったため女性が対応した方が聞きやすいかと思います。

 -個性的な内見者たち。。。

しょっぱなからちょっと変わった内見者が現れます。そう、設備こだわりおじさんです(笑)
妻に対応してもらったのですが、お風呂の浴室乾燥機が「これはガスじゃないとなぁ~」、「コンセントはこの位置にないと」など家中の設備の確認を一つ一つ行って、色々とダメ出しをしていきました。
このおじさんは最終的に家とは全く関係のない冷蔵庫や、外の物置まで見て帰ったそうです(汗)

興味を持ってくれたから色々聞いて帰ったんじゃないのとも最初思いましたが、断り文句が「予算の関係」
いやいや、分かってたでしょ値段は(笑)という感じです。

まぁ、色々な人がいますね。

 

~続く~